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近江商人のまち巡り散走

近江商人とは、高島商人・八幡商人・日野商人・湖東商人(豊郷町/伊藤忠ほか) 4つの商人のことを言うらしく、それぞれ特定の地域から発祥し、活躍した場所や取り扱う商品にも様々な違いがあるそうです。今回は、日野商人と八幡商人のまち巡り散走に訪れました。



織田信長に絶大な信頼を寄せられていた日野町の豪族 蒲生氏郷(がもううじさと)公は、信長を魅了し、秀吉を恐れさせた男と呼ばれるほどの文武に優れた名将。文化人としては、茶人・千利休の7人の高弟を称した「利休七哲」のひとりであり、利休から「文武二道の御大将にて、日本において一人、二人の御大名」と絶賛されていたという。



地元(日野町)を離れ、松坂では地元日野からも商人を呼び集め“豪商のまち”三重県松阪市の基礎も氏郷が築き、会津でも会津塗や酒造りといった産業も日野から職人を招いて興した英雄。

日野商人(当時、日野町には70-80件あった)は、平和な江戸時代に松坂→会津→宇都宮→伊予へと出稼ぎに出て、稼いだ外貨を日野町に持帰り、地元繁栄に貢献したと言われている。特に北関東を中心に訪問販売していたことからゆかりの地が多く、よそ者であったにも関わらず、社会貢献したことで土地に根付き、御用商人として信頼されていた。2拠点生活で地元と地方繁栄に貢献した歴史があるらしい。



江戸時代150年前にできた「旧山中正吉邸」は、90年前の大正15年に、客間をゲストハウスとして運営始め、現在は「近江日野商人ふるさと館」町指定有形文化財として施設公開されています。現在は、「日野の伝統料理を継承する会」20名の地元のお母さん有志で活用しており、食体験レストランとして運営されています。(コロナ感染拡大の影響により、で8月いっぱいは活動休止中)

近江日野商人ふるさと館



日常づかい用に考えられたかつての伝統を、現代の技法でよみがえらせた工芸品「日野椀」。室町後期から江戸中期ころまで日野は漆器の大生産地で、日野椀は三方よしで知られる近江商人の主力商品だったそうです。その日野椀が200年ぶりに復興したのは平成16(2004)年。現在は、地元の北川木工さんにより、現代に相応しい加工とデザインで伝統を継承しているとか。

北川木工

かつて近江日野商人が暮らした里山の町家「らっこや」さんでは、古き良き日本の文化が残っているようなところで暮らしたいと、古民家を改修し、世界各産地から選りすぐったスペシャルティコーヒーの芳醇な香りとともにくつろぎ空間を提供されています。ゆったり過ごせるCaféで、地域の歴史・文化をつないでいました。


らっこやさん

らっこやさんの焼きたてホットケーキは、大地堂さんのディンケル小麦を使用したホームメイド。日野町産の古代小麦(ディンケル小麦)を100%使用しているというので、大地堂さんの小麦畑にも立寄りました。ドイツから学んだ栽培方法を、日本で根付かせるための熱い思いを語ってくれました。


大地堂さん

日野町の伝統野菜と言えば「日野菜」。栽培している農家さんも訪ねました!



日野商人発祥のまちには、今もその歴史を継承し続ける人と、文化と、自然豊かな暮らしがありました。



★日野商人のまち巡り散走の様子は下記のYouTube動画も是非ご覧ください!


続いては、八幡商人のまち近江八幡を散走しました。
八幡商人は「三方よし」の精神の下、北は北海道から南はタイやベトナムまで、広域にわたる活発な商いを展開していたそうです。今も新町通りや永原町通りは、「重要伝統的建造物群保存地区」として町並みが保存され、格子戸や見越しの松など、往時の佇まいが色濃く残り、情緒ある家並みが続きます。



八幡堀は天正13年(1585年)に豊臣秀次(秀吉の甥)が八幡山に城を築き開町したことに始まります。秀次は、八幡堀と琵琶湖とを繋ぎ、湖上を往来する船を城下内に寄港させることで、人、物、情報を集め、さらに楽市楽座制を実施することで城下を大いに活気づけたそうです。


琵琶湖は東西南北をつなぐ日本のほぼ中心、要の位置にあり、古代から中世は、畿内を拠点に全国にのびた幹線道路だった「七道」のうち、東海道(関東方面)・東山道(東北方面)・北陸道(北陸方面。北国街道とも)の3つの道の出発点になっていました。


関ヶ原の戦いの後、徳川家康が江戸を拠点に整備した「五街道」でも、東海道(京都終点)と中山道(草津または大津終点)が通っています。現代の主要交通路である東海道新幹線も琵琶湖の近くを通っています。昔は今より水運が活用されていたこともあり、琵琶湖は古代から現代に至るまで、人や物が行き交う非常に重要な交通の要衝だったようです。



(写真)中山道

古代からの交通の要衝であり、有力大名たちの紛争の舞台となり、天下統一のためにも掌握しておきたい重要地点だった近江国・琵琶湖は、そんな歴史あるまちでした。


★びわ湖のカナタ 代表 田中将人さん
滋賀県内のコーディネーターとしても地元民に愛されているサイクリングガイド。

びわ湖のカナタ


★今回散走に一緒にでかけた、あむちゃん!
YouTubeチャンネルもぜひご覧ください。

あむちゃん!

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※この記事は、滋賀プラス・サイクル推進協議会が「ビワイチ」の魅力発信を目的に、OVE南青山と協力して提供するものです。


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